社会の教科書より役立つ機動戦士ガンダム00
〈あらすじ〉
西暦2307年。世界はアメリカを中心とした「ユニオン」ロシア、中国、インドの3国を中心とした「人類革新連盟」ヨーロッパを中心とした「AEU」の3大超大国に分かれ、3国は枯渇した化石燃料に代わるエネルギーリソース、3基の軌道エレベーターと太陽光発電システムを巡り、熾烈な軍備開発競争を続ける日々にあった。
そんな彼らに対して現れた謎の私設武装組織「ソレスタルビーイング」は、「ガンダム」を投入し、世界から戦争を根絶させるべく戦いを挑むが、それは「平和のために戦争をする」という矛盾も抱えている。
ガンダムという作品のすごいところは、ストーリーに現在の社会情勢が深く取り込まれているところである。政治経済、歴史、地理そして倫理の問題について言及している。
化石燃料の枯渇により今後の世界がどのようになっていくか、中国やインドなどの新興国の発展により世界の権力バランスがどのように移り変わっていくかという世界観
反政府組織LTTE(タミル・イーラム解放のトラ)が独立宣言し、内戦が続いていたスリランカ、宗教差別を発端としてユニオニストとナショナリストの私兵組織が騒乱とテロを繰り返した「北アイルランド問題」、アフガニスタン、イラクへの軍事行動を続けるブッシュ大統領を「悪魔」と呼んで、アメリカを批判したチャベス大統領のベネズエラの紛争問題などに触れていたり、
なかでもメインテーマの「平和のために戦争をしてもいいのか?」というアメリカを意識した倫理問題を強く取り上げている。
そもそもテロを防ぐために、戦争をするのか戦争が続くためにテロによる報復があるのか、それはその立場による見方によって変わってくるだろう。
今回のシリーズでは武装組織「ソレスタルビーイング」は、「ガンダム」を投入し、世界から戦争を根絶させるべく戦いを挑むが、の矛盾した行動がどう描かれていくか今後の展開が楽しみである。
ちゃんとした知識を持って見ればたかがアニメと馬鹿にすることができない。それがガンダムの魅力だろう…
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