一時80円台まで進んだドル円の円高が100円近辺にまで戻してきました。ドルの暴落がささやかれて70円、60円と進むのではないかといわれていたがどうやら様子が違うようだ。
■アメリカ以上にドルが暴落すると景気が悪くなる日本
日本を支えているのは輸出企業。円高ではこれらの企業の収益が悪化する。資源が安く買えるので競争力のある製品を作ればいい!などとテレビでは言われるがそうではないようだ。最近インパクトがあったのはイオンの32型液晶テレビDVD付き4万9800円!韓国の液晶パネルを使って円高を利用し安く売るというものだ。性能は日本のものとさほど変わらない…これではソニーもシャープも商売が成り立たない。競争激化のため日本製品も7万円程度で買えるようになった。
いくら資源が安く買えると言ってもそれ以上に製品価格が下がってしまったのでは元も子もない…。日本も海外での生産を余儀なくされ国内の雇用が減る…。派遣社員が切られ正社員も早期退職、賃金カットとこれでは内需が拡大するはずがない…。結果世界最悪のGDPを記録してしまったわけである。
皮肉なものでそうなってくると円高も治まってくる…。しかし雇用環境を破壊してしまったからでは遅いのです。円高によって利益が出るはずだったスーパーや百貨店も安売り安売りでデフレスパイラルを起こし利益が出ない。価格を下げたところに円安で調達コストが上がってしまったのでは悲惨としかいいようがない…。安売りのために海外製品の量が増え国内の産業の衰退する。
結果、輸出企業も内需関連企業も共倒れ…これで円高が国益になると言えるのだろうか?
■ドル高はアメリカの国益と言い続けてきたアメリカは自滅
ドルを高くし世界の基軸通貨とすることでアメリカは発展を続けてきた。金融業の割合が4分の1にもなりまさに金融立国だ。国内の産業はすべて海外に移転しそこへ投資する。そうすることで金融業で収益を上げやすい、製品を輸入する。人々の生活は確かに楽だ!野球場が毎日満員になるのも納得できる。
金融立国と言うのは事実上植民地支配と何も変わらない…。アメリカは中国や南米を植民地としてものを作らせ、高い金利で金を貸してその製品を買っていた。まあ中国や南米も発展するので文句が出なかったのだが最終的には自分たちでその仕組みを壊してしまった。金融業であっても地道にやっていれば壊れることは無かったが、むりやり所得の低い人にお金を貸して住宅価格の高騰させ結果返済ができなくなり金融業に大打撃を与えた!4分の1が金融で飯を食っているだけに金融業を中心に失業者が増えアメリカ国内の消費が大幅に下がり不景気のどん底となった。
■円高で日本がやっていくためには金融立国にならなければならないが国民性はそれを許さない
円高になるということは輸出産業は海外に移転し国内の雇用は減少する。その分を補うことができるとすればアメリカと同じように金融業なのだろう。海外に投資して年に10%前後の利払いがあれば円高でも日本はやって行ける。しかし働かざるもの食うべからずという意識が根強い日本では定着しないのだろう。
ということは今の不況を乗り切るためには日本はただただ耐えなければいけない。時間がたてば新興国を中心に経済が回復をはじめ新興国との間では円安が進む。そこに製品を売ることで産業もようやく回復をはじめ景気が回復する。
■中国が発展すれば日本も安泰
日本の隣には人口13億人の巨大市場がある。しかし一人当たりのGDPはまだまだ日本の10分の1…この差が埋まってくれば為替も縮まり日本でものを作って中国にうるという仕組みも成り立ってくる。円高の今こそ中国を中心とするアジアに投資するべきではないだろうか?とはいえ中国の産業もアメリカへの輸出がメインだっただけに被害が大きい…大きな産業の転換を求められていてそう簡単にはいかないかもしれない。
色々と話が横にずれてきて最後には書くのがめんどくさくなってしまうのは悪い癖だが、これまでの話の中で円高が日本の国益になっていると感じるところはほとんどない!本当に円高は日本の国益なのだろうか?円安にした方が自然なのではないだろうかそんな風に考えさせられる今日この頃です。